人に教えるということは難しいことで、「教える」は立派なスキルの一つです。
私もそうですが、小中高、さらに大学など生徒目線から教わる側として、10年以上経験しているので、教えるのが上手い先生、そうでない先生がいたと思います。社会に出て後輩が出来たり、営業やクライアントにも確認や説明など教える機会が増えますが、「教える」という事について、学ぶ機会が少ないように思います。
そこで教えることを専門にいている人は知っているであろう、ティーチングコーチングについてまとめてみました。

・ティーチング/コーチングって?
・ティーチングとコーチングは万能?
・「教える」ということは「学ぶ」こと

ティーチングコーチングって?


ティーチング
ティーチングとは「知識や問題解決の手段・方法を教える」事で成長や問題解決を促す。
コーチング
コーティングとは「会話や質問をする」事で本人の中から目的や解決策を発見してもらう。

どちらが良い・良くないという事ではなく
段階や状況に応じて教え方やアプローチ方法を変える事で、より成長してもらいます。
当プログラミング教室では、下記のようなことがティーチング・コーティングとしての一例になります

ティーチングの一例
知識
・マウス、キーボードの使い方
・タイピング(ローマ字)
・スクラッチの操作方法
・ブロック(スクラッチ・スクリプト)の意味と使い方
・プログラムの知識と概念
・数学の知識
・練習問題を解く

コーチングの一例
考え方
・どんなゲームを作ろう?
 →好きなゲームや、参考・イメージを聞いてみる
・タイピングが早くならない
 →ローマ字を覚えてないのか、タイピングのスキルが低いのか
  早いタイピングを見せ、どこが違うかを考えて実行してもらう
・ゲームバランスやアイテム・オリジナルのアイデア
 →簡単すぎる or 難しすぎる 原因やどこをさわればいいか考える
・上手くいかない時
 →どこがうまく行かないか、どこまでならうまくいくかなど
  原因を説明(言語化)して、分解し問題を自分で発見・解決できるように導く
・やりたい事ができない時
 →やり方が間違っているのか、やるための知識がないのか(習ってない or 忘れている等)
  原因を確認して、その結果によってやり方を見極める

初期の段階では、最低限の知識が必要な事が多いので、主にティーチングがメインになりますが、ある程度知識がついてくるとコーチングになります。ただ、どっちか一方を使うではなく、必要に応じてどちらか、または両方使うこともあります。

ティーチングコーチングは万能?

知識が無い子に「どうして?」って聞いても知識がないので分からない・解決しないパターンや、逆に、少し考えると分かる子に「このブロックをココに使うよ」というような答えを教えるパターンはよくありません。

ティーチングは、教える人から教わる生徒に、知識を渡すという一方通行になり、分からないと言われた時に知識=答えになりがちなので、タイミングを誤ると答えばかり教えることになり生徒が、答えを欲しがる=受け身になってしまうので気を付けています。

コーチングは、生徒にある程度の知識があることが前提になります。
知識の無い生徒に「なぜ?どうして?」と繰り返しても、ほぼ解決しないでしょう。逆に出来なかったら、落ち込んだり反発したりと上手く行かないどころか、悪化する事も考えられます。
また、結果的に同じことを言っていても、「どんな言い方をするか、誰が言うか」で大きく変わってきます。
「誰が」というと語弊があるかもしれませんが、この場合信頼・尊敬する人か、嫌い・苦手な人などをさし、教える人と生徒の信頼関係が構築出来ているかが、とても重要になります。

生徒をよく見ることで、どこで悩んでいるかを見極めたり、考える仕草で考えているか飽きているかなど見極めたり、会話や質問をすることでどっちかを判断します。一概には言えませんが、答えの正解・不正解より子ども自身をよく見てコミュニケーションを取ることがとても大事だと考えます。

「教える」ということは「学ぶ」こと

こういう事をつらつらと書いていますが、全て出来ているのかと言われれば、出来ていないこともあるし、知識があればすべてできるとも思いません。
生徒も色々な性格・成長の速度も違うので絶対というやり方はありません。一人ひとりを教えることで、会話をしながら生徒自身を知ることで、初めて教えると言うことができます。生徒の成長はもちろんですが、教える側も、教えることから学んでいくのです。